○すべてがデジタルになる 講演に先だって、ネグロポンテ氏が紹介された 現在のコンピュータやインターネットのコンセプト的バックボーンとなった何人かのうちの代表的なひとりに、MITメディア・ラボのニコラス・ネグロポンテ(Nicholas P. Negroponte)所長を挙げたとして、異論のある方は少ないと思う。メディア・ラボの開設以来、精力的に未来についてイメージを語り、コンピュータの未来をかいま見せてきたのが、まさにネグロポンテ所長だ。 1995年に刊行された「ビーイング・デジタル」には、「すべてがデジタルに統合されていく」というイメージが登場している。いわゆるHDTVとか情報スーパーハイウェイといった言葉の震源は、みんなこのネグロポンテ所長なのだ。 「失われた10年」。アメリカで起こった同時テロやそれに続く戦争。IT不況、パーソナルコンピュータの販売数の頭打ちなど、コンピュータのまわ