保田 道世(やすだ みちよ) 東京生まれ。1958年、東映動画(現・東映アニメーション)の仕上部門に入社。高畑・宮崎両氏と知り合う。「太陽の王子 ホルスの大冒険」など、数多くの作品の仕上チーフ・色指定をつとめた後、スタジオジブリに参加。全劇場用作品の色彩設計を担当 テレビをつけても、町を歩いても、私たちの周りにある「色」は、どれも必要以上に鮮やかだ。時に、その激しい色使いに疲れてしまう。 スタジオジブリ作品は違う。「ジブリ色」と評されるその色は、常にやわらかく、やさしい。その生みの親が、色彩設計担当の保田道世さん。おっとりとした口調で佇まいは穏やかだが、眼ざしは、鋭い。保田さんに聞いた。(依田謙一) ――「色彩設計」とはどんな仕事ですか。 保田 アニメーションでは、背景画など「動かないもの」は美術監督が担当しますが、登場人物など「動くもの」については、あらかじめ「服の色はこれ、唇の色はこれ