【シリーズ:BOOK】ピクセルアートの審美。『ピクセル百景 現代ピクセルアートの世界』雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナーでは、新着のアート&カルチャー本から注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を紹介。2019年10月号の「BOOK」1冊目は、ピクセルアート=ドット絵を制作する代表的なクリエイターの仕事を収録した作品集『ピクセル百景 現代ピクセルアートの世界』を取り上げる。 評=塚田優(視覚文化評論家) ピクセルの庭を歩いてみれば 本書はその書名の通り、近年グローバルな盛り上がりを見せるピクセルアート=ドット絵を制作する代表的なクリエイターの仕事を収録した作品集だ。しかし、その企図はたんに現状をカタログ化することではない。私たちがスマートフォンなどのモニターを介して目にするイメージのほとんどがピクセルで構 成されている現代において、ピクセルアー