この世で一番割安な本 私は2013年5月29日から毎日、辞書を引くのではなく読んでいる。実は大人になってからは辞書すら持っておらず、ピコピコと携帯で検索するだけ。 そのキッカケは、2013年の本屋大賞も受賞した三浦しをん『舟を編む』だった。内容を一言で表現するならば、「辞書を作る小説」。途方もない苦労と過ぎ去って行った年月、そして溢れる情熱を結集させて一冊の辞書を創り上げた物語。 私は、今までのように辞書を引くだけ、あるいは検索するだけでは、情熱の塊である辞書に対して失礼なのではないかと感じたのだ。 というわけでこんにちは。冷静でありたいと願いながらも、「目前の目的・対象に全身全霊を傾け尽くして悔いを感じさせないひたむきさ」を持っている佐藤嘉洋です。 高校生のとき、「レモン」という愛称を持つ国語の先生がいた(由来は 梶井基次郎『檸檬』から)。 「みんな、この世で一番割安な本は何か知っている