夏休み読書週間ということで、今回は猪瀬直樹著『作家の誕生』を読みました。単に昨日の NBonline で紹介されていて(こちらの記事)読んでみたくなっただけなのですが。 簡単に言うと、同書は明治以降の日本において、「作家」という職業がどのような歴史を歩んだかを解説しています。ただ、昭和に入ってから(具体的には芥川龍之介の死以降)は太宰治・三島由紀夫の二人に焦点を当てるかたちになっているので、文学史というより作家研究に近くなりますが。僕が興味を持ったのは前半、まさしく「作家の誕生」が描かれている部分。雑誌という新しいメディアがどのように成長し、そこを活動の場とする「作家」という職業がどのように成立したのかという流れが、いまのブログ時代を考える参考になるのではないか……と感じました。 冒頭部分、こんな文が掲げられています: 二十一世紀は情報通信革命の時代と言われる。 だがインターネットに代表さ