「ビブリオバトル」という耳慣れない言葉が静かに広がっている。訳して「知的書評合戦」。自らが推薦する書籍をプレゼンテーションし、観衆の挙手で優劣を競う。もともと、京都大で理系の研究者たちが勉強会で行っていた輪読会を活性化しようと始めたところ、本好きの若者が注目。関西から名古屋へ広がり、ついに東京でもイベントが開かれるようになった。果たして若者の活字離れ防止に一役買うかどうか。 (浜口武司) 十月十六日、東京・新宿の紀伊国屋書店新宿南店で行われたビブリオバトルの首都圏予選。テレビの「ハーバード白熱教室」で話題となった米国・ハーバード大教授のマイケル・サンデル著「これからの『正義』の話をしよう」が取り上げられた。 男子大学生が「身近な問題から、哲学を教えてくれる」と本を紹介。「愛国心や尊厳死などヘビーな話もあり、学食では話せないが、議論することでいろんな価値観を採り入れられることが分かる」と魅力