構造主義に関する入門書として最も有名な橋爪大三郎さんの『はじめての構造主義』はあまりにもレヴィ=ストロースさんの解説に寄り過ぎていて、レヴィたんが萌えるということはよく分かったけど結局あたまのいい人が「構造主義」って呼んでる概念はどう捉えればいいの? という素朴な疑問には応えてくれなかったように思います。そのとき残っていた疑問は、本書を読むことでようやく氷解しました。 専門的な内容を全く知らない人に向けて解説しているのだから、とにかく「身内」の言葉をできるだけ避ける。そういうスタンスが貫かれた本書は、入門書として好感の持てるものでした。こういう優れた解説書に対しては「他人によって分かりやすく要約された思考はもはや本人の思考とは別物だ」というような批判が常にありえそうですけれど。 だから、たまに指摘されている通り、この本で構造主義の土台となった彼らの思考を分かった気になるのは大きな間違いなの