日本猫が通って来た道 「『ねこ』の語源━━私の仮説」の所で、日本には紀元前500年頃に猫が渡来したと書きました。しかしこの私の説が成立するためには紀元前500年以前に中国に猫が居なければなりません。通説では中国に猫が入ったのはそれより1000年以上も後、紀元6世紀のことだとされています。そこで果して紀元前500年以前の中国に猫が居たかどうかを考えてみます。 中国に猫が入ったのは紀元6世紀というのは加茂儀一氏の「家畜文化史」(1973年、法政大学出版局)から広まった通説のようですが、この時中国に入った猫は色は淡黄または白で長毛かつ垂れ耳だったというような頸をかしげるような記述もあり、そのまますんなり受け入れられるような説ではありません。 1958年に同じ法政大学出版局から刊行された木村喜久弥氏の「ねこ/その歴史・習性・人間との関係」には「史家によれば、ネコは西暦400年の頃、中国において家畜