大嶋:みんながアナログTV放送の研究をしているとき、1989年くらいから、私はデジタルTV放送の研究をしていたんです。その後、デジタル放送の規格を巡って世界中の技術者が競い合いましたが、結果として私が勝ちました。勝ち負けの基準は何かというと、地上波デジタルTV放送の基幹部を担う「規格必須特許」に認定された件数になります。日米欧とも、私の規格特許が最も多く採用されているんです。特許のシェアは30%を超えました。 当時、デジタルTV放送はアメリカが先導していました。MITで電気工学の教授をしていた、ウィリアム・シュライバーという人物がその流れを牽引していて、彼は米国議会で「デジタルTVをやるべし」と証言したことから、アナログHD放送からデジタルHD放送に流れが変わりました。彼と私は同じ方式の特許を出したのですが、私の方が出願日が早かったんです。数年後、シュライバーの研究室から「最近は何を研究さ