平成の歌姫、といえば誰か。安室奈美恵という人もいれば、宇多田ヒカルという人もいるだろう。椎名林檎も挙げられるかもしれない。はたまた、賛否両論あれど、浜崎あゆみという答えも一定の支持は得られるのではないだろうか。 1998年にデビュー後、若い女性からの絶大な人気を誇ったあゆ。SNSの大流行で「自意識」があふれかえる世の中になったが、この「自意識」をビジネスとして成功させた先駆けが彼女だったのではないか。自身のビジュアルを前面に押し出したアートワークやファッション、恋愛に自分語り。音楽だけでなく、ふだんの自分と地続きの姿を見せることで人気を得た人だ。 よく女性歌手は、他者に徹してエンターテイメントを貫く、とうタイプと、自身を切り売りして芸能界を生き抜く、という2タイプいる。安室奈美恵や椎名林檎はまさに前者で、ステージの私と普段の私は別物、という言い方をよくしている。たとえば椎名は実生活で略奪愛