『きみとぼくの壊れた世界』の4年ぶりの続編が登場。続編といっても、1人を除いて同じ登場人物は出てこないので、こちらから読んでも差し支えない。 ノベルズ版とハードカバー版の2種類の装丁があるが、どちらを買うかはお好みにあわせて。しかし価格差が1000円以上するとあっては、答えは明らかだろう。講談社がどういう意図で2種類の装丁で同時刊行したかは知らないが、いかにハードカバーが割高な代物か再認識させられたのは確か。 このシリーズの特徴は独特の読後感の悪さにある。後味がきわめつけに悪いのだ。前作は早すぎたヤンデレ小説だったし、あるいは美少女ゲームのバッドエンドを小説化したもの、と解釈することもできる。その場、その場で、より良い選択肢を選ぼうとして、必死に頭をめぐらせる主人公が行き着いたエンディングは「行き詰まり」。それがどれだけ最悪のエンドだったことか。 そして今回は別の趣向。 題材は将棋。その意