ブックマーク / cinemaking.hatenablog.com (172)

  • 「逃げきれた夢」 - 映画貧乏日記

    「逃げきれた夢」 2023年6月9日(金)新宿武蔵野館にて。午後12時30分より鑑賞(スクリーン3/C-4) ~おっさんはつらいよ。人生の節目を迎えた男の「あがき」をリアルに 私もデモや集会に参加して反対した入管法改正(改悪だろう)法案が成立してしまった。賛成したやつらの顔と名前をよーく覚えておいて、きっとしっぺ返しをらわすぞ! と誓ったのである。 とまあ、世の中はうまくいかないことが多いわけだが、そんな人生をやり直そうとする男のドラマが「逃げきれた夢」である。 「枝葉のこと」「お嬢ちゃん」などが高く評価された二ノ宮隆太郎監督の第4作。ちなみに、二ノ宮監督は、俳優としてもあっちこっちの作品に顔を出している。 北九州の定時制高校で教頭を務める末永周平(光石研)が主人公。定年まであと1年の初老の男性だ。 冒頭は老人介護施設に周平が父親を訪ねるシーン。父親(光石の実の父親が演じている)は認知症

    「逃げきれた夢」 - 映画貧乏日記
    singark071781
    singark071781 2023/06/13
    今までのことを取り返そうとする気持ちよくわかります。普段から大切にしておかないといけませんね😨😨😨
  • 「ウーマン・トーキング 私たちの選択」 - 映画貧乏日記

    「ウーマン・トーキング 私たちの選択」 2023年6月3日(土)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後3時10分より鑑賞(スクリーン2/D-11) ~虐げられた女たちの選択は? 濃密で息詰まる会話劇 不当な圧力にさらされてきた女性たちが、声を上げ始めたのは最近のことだ。それに呼応するような映画が「ウーマン・トーキング 私たちの選択」。第95回アカデミー賞で作品賞と脚色賞にノミネートされ、脚色賞を受賞した。 舞台となるのは自給自足で暮らしてきたキリスト教一派の村。この村では、女たちがたびたびレイプされていた。薬を使われ眠らされていた女たちは、男たちから「悪魔の仕業」「作り話」だと言われてレイプを否定されてきた。だが、女たちはそれが悪魔の仕業や作り話などではなく、実際に起きた犯罪であることを知る。男たちが街へ出かけて不在にしている2日間、女たちは自らの未来を懸けた話し合いを行う……。 濃密な

    「ウーマン・トーキング 私たちの選択」 - 映画貧乏日記
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    singark071781 2023/06/07
    どちらの選択をしたのか、それとも違うのか気になります🤔🤔🤔
  • 「波紋」 - 映画貧乏日記

    「波紋」 2023年5月26日(金)池袋HUMAXシネマズにて。午後12時30分より鑑賞(シネマ4/G-9) ~社会問題にブラックな笑いも盛り込んだ女性の自己解放のドラマ かつては「かもめ堂」「めがね」など癒やし系映画の監督のように思われていた(私が思っていただけか?)荻上直子監督。ここのところの充実ぶりはハンパではない。「川っペリムコリッタ」に続く新作「波紋」も、実に面白い映画だ。 主人公の女性、須藤依子の人間ドラマであると同時に、クスクス笑えるブラックコメディーでもある。 冒頭はその依子(筒井真理子)が朝起きるシーン。隣には夫の修(光石研)がイビキをかいて眠っている。だが、なぜか夫婦は頭と足が逆。つまり、修の頭の位置に依子の足があり、依子の頭の位置に修の足があるのだ。これはイビキがうるさいためだろうか。それとも何か他に理由があるのだろうか。いずれにしても、この夫婦、何か変だ。 おりし

    「波紋」 - 映画貧乏日記
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    singark071781 2023/05/30
    忘れられないラストシーンなようですね😀😀😀
  • 「最後まで行く」 - 映画貧乏日記

    「最後まで行く」 2023年5月20日(土)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時20分より鑑賞(スクリーン7/D-9) ~刑事VS監察官の迫力のバトル。息をもつかせぬ韓国映画のリメイク この前の日曜の21日。渋谷の入管法改悪反対デモに参加してきた。参加者なんと7000人。それがサウンドカーのノリのいい音楽とパーカッションに乗せて、シュプレヒコールを叫びながら渋谷・表参道を行進する。道行く通行人や外国人観光客はカメラを向け、私はすっかりスター気分! いや、そんなことを言っている場合ではなかった。とにかく反対の声は急激に広がっているゾ。 その前日には藤井道人監督の「最後まで行く」を鑑賞。「ヴィレッジ」をはじめ公開作が相次ぐ藤井監督は、今乗りに乗っている監督の1人だろう。その藤井監督の今回の新作は、フランスや中国など各国でもリメイクされた2014年の韓国映画の日版リメイク。 年末の4日

    「最後まで行く」 - 映画貧乏日記
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    singark071781 2023/05/24
    笑いもあるというのがこの作品の魅力かもと思いました😀😀😀
  • 「同じ下着を着るふたりの女」 - 映画貧乏日記

    「同じ下着を着るふたりの女」 2023年5月19日(金)シアター・イメージフォーラムにて。午後1時30分より鑑賞(シアター2/G-6) ~愛せないし、憎みきれない。母娘の抜き差しならない関係 母と娘の関係には微妙なものがあるようだ。最近の日映画では、井上真央と石田えりが共演した「わたしのお母さん」が、そうした母と娘の微妙な関係を繊細に描き出していた。表面的には凪いでいるように見えても、ちょっとしたきっかけで嵐が吹き荒れる。 韓国映画「同じ下着を着るふたりの女」も母と娘のドラマだ。ただし、こちらはかなり強烈。ふだんから、2人の間には嵐が吹き荒れている。 若くしてシングルマザーとなった母スギョン(ヤン・マルボク)。20代後半の娘イジョン(イム・ジホ)。スギョンは幼い頃からイジョンにつらく当たり、イジョンはそんな母に積年の恨みを募らせていた。それでも2人は団地で一緒に暮らしていた。 というわけ

    「同じ下着を着るふたりの女」 - 映画貧乏日記
    singark071781
    singark071781 2023/05/22
    親子の関係は複雑で難しいですね、意欲的作品なんだなと思いました😀
  • 「銀河鉄道の父」 - 映画貧乏日記

    「銀河鉄道の父」 2023年5月8日(月)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時10分より鑑賞(スクリーン9/D-11) ~放蕩息子の宮沢賢治を見放さない父の愛は偉大なり 父母の愛はとてつもなく大きい。そんな当たり前のことを再確認させてくれる映画が「銀河鉄道の父」である。直木賞を受賞した門井慶喜の小説を「八日目の蝉」「いのちの停車場」「ファミリア」などの成島出監督が映画化した。 タイトルからもわかるように宮沢賢治の父・政次郎を主人公に据えて、彼と賢治、妹のトシ、賢治の母・イチなどとの家族愛を描いたドラマである。 映画の冒頭、岩手県で質屋を営む宮沢政次郎(役所広司)が列車に乗って自宅に戻ろうとしている。長男(賢治)が生まれたという知らせが入ったのだ。そのはしゃぎぶりは滑稽なほどである。いかに彼が息子の誕生を待望していたかがわかる。 その後、賢治が赤痢にかかって入院すると、政次郎はのイ

    「銀河鉄道の父」 - 映画貧乏日記
    singark071781
    singark071781 2023/05/15
    演技力への評価がみなさん高く、気になります😀😀😀
  • 「セールス・ガールの考現学」 - 映画貧乏日記

    「セールス・ガールの考現学」 2023年5月5日(金)新宿シネマカリテにて。午後12時45分より鑑賞(スクリーン2/A-7) ~モンゴル映画の常識を覆すポップでオシャレな青春成長ドラマ モンゴル映画と言ったら大草原! そして遊牧民! そんな通り一遍の固定概念を覆す映画が登場した。「セールス・ガールの考現学」である。数々の受賞歴を持つ(らしい)モンゴルの俊英センゲドルジ・ジャンチブドルジ監督の作品だ。 映画の冒頭からビックリさせられる。女子大生がバナナの皮に滑って骨折をするシーンなのだが、それがとびっきりポップなタッチで描かれるのだ。まるで最新のミュージックビデオのよう。こんなふうに、ポップで、オシャレで、ノリのいい描写がこの映画の特徴だ。ユーモアもタップリ詰まっている。 冒頭に骨折した女子大生は、当分の間、バイトを代わってもらうように同級生に頼む。その相手がサロール(バヤルツェツェグ・バヤ

    「セールス・ガールの考現学」 - 映画貧乏日記
    singark071781
    singark071781 2023/05/08
    モンゴルの性を打ち破る意欲的作品ですね😀😀😀
  • 「せかいのおきく」 - 映画貧乏日記

    「せかいのおきく」 2023年4月29日(土)テアトル新宿にて。午後4時30分より鑑賞(A-9) ~江戸庶民の日常と若者の恋を美しいモノクロ映像で綴る 「どついたるねん」「顔」「北のカナリアたち」など代表作を挙げればきりがないベテランの阪順治監督。当たりはずれはあるものの、精力的に映画を撮り続けている。その新作はモノクロ映画の時代劇「せかいのおきく」。江戸末期を舞台に、徹底した庶民目線に立ち庶民生活の悲喜こもごもを描き出している。 寺子屋で子供たちに読み書きを教える22歳のおきく(黒木華)は、武家育ちでありながら今は貧乏長屋で父と二人暮らしだった。ある日、彼女は厠のひさしの下で雨宿りをしていた糞尿を仕入れて農家に売る下肥買いの青年・矢亮(池松壮亮)と、紙屑拾いの中次(寛一郎)と出会う。やがて自分も下肥買いを始めた中次に、おきくは思いを寄せるようになる。だが、まもなくおきくはある悲惨な事件

    「せかいのおきく」 - 映画貧乏日記
    singark071781
    singark071781 2023/05/03
    白黒、声なき世界、それを表現できる役者、黒木華さんはすごい🌟🌟🌟
  • 「午前4時にパリの夜は明ける」 - 映画貧乏日記

    「午前4時にパリの夜は明ける」 2023年4月27日(木)新宿武蔵野館にて。午後2時50分より鑑賞(スクリーン3/C-6) ~シャルロット・ゲンズブール主演。家族の何気ない日常と成長を温かな視線で描く シャルロット・ゲンズブールといえば、ご存知セルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキンの娘。初の主演映画「なまいきシャルロット」(1985年)は今でも強烈に印象に残っている。可愛かったよなぁ~。 そんな可愛い面影を今も残しているシャルロットの最新主演映画が「午前4時にパリの夜は明ける」。監督は無差別テロで大切な姉を失い、遺された7歳の姪を引き取ることになった青年の戸惑いと2人の絆を描いた「アマンダと僕」のミカエル・アース。 1980年代のドラマだ。1981年のパリ。夫と別れ、10代の娘と息子を1人で養うことになったエリザベート(シャルロット・ゲンズブール)。仕事を探すうちに、自分が好きだった深

    「午前4時にパリの夜は明ける」 - 映画貧乏日記
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    singark071781 2023/04/30
    明け方のパリはどんなでしょうか。新たな感動をくれるような気がします🌟🌟🌟
  • 「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」 - 映画貧乏日記

    「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」 2023年4月25日(火)新宿武蔵野館にて。午後2時35分より鑑賞(スクリーン1/C-5) ~クソッたれな世の中で、迷える若者たちはぬいぐるみと話す 「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」というユニークなタイトルの映画。原作は大前粟生の小説(スイマセン。よく知りませんでした)。それを、これが長編商業デビューとなる金子由里奈監督が映画化した。 青春群像劇である。冒頭は主人公の七森(細田佳央太)が女の子から告白されているシーン。だが七森は恋愛というものがわからない。だから、告白されても戸惑うばかりで相手を怒らせてしまう。 そんな七森が京都にある大学に入学する。まもなく麦戸(駒井蓮)という同級生と仲良くなる。2人は「ぬいぐるみサークル」(略称ぬいサー)に興味を持ち、サークル室に行ってみる。すると、そこは彼らが想像したぬいぐるみを作るサークルではなく、ぬいぐるみ

    「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」 - 映画貧乏日記
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    singark071781 2023/04/29
    人と話すこと、人間関係は年齢を重ねても難しく、若い頃は挨拶すらもしたくないなどあると思います。電話しない時代となり、ますますその傾向は強いかもしれませんね😲😲😲
  • 「高速道路家族」 - 映画貧乏日記

    「高速道路家族」 2023年4月21日(金)シネマ・ロサにて。午後4時10分より鑑賞(シネマ・ロサ2/D-10) ~ホームレス一家の波乱の運命。前半のコメディータッチから衝撃のラストへ 相続税の申告を税理士に頼まずに一人でやるという暴挙に出た結果、とんでもない事態になったもののようやく終了(まだ何かありそうだけど・・・)。さて、映画でも観るべえかと思った金曜日の夕刻。しかし、ちょうどよい時間の映画がない(涙)。それでもやっと探し当てたのが韓国映画「高速道路家族」。はたして、どんな映画なんでしょう。 高速道路のサービスエリアを転々としながら家族4人でテント生活を送るホームレス一家。父親のギウ(チョン・イル)は駐車場でドライバーに声をかけ、財布を盗まれたから2万ウォンだけ貸してほしいと金をだまし取り、何とかいつないでいた。そんなある日、以前にだました中古家具店を営むヨンソン(ラ・ミラン)に、

    「高速道路家族」 - 映画貧乏日記
  • 「聖地には蜘蛛が巣を張る」 - 映画貧乏日記

    「聖地には蜘蛛が巣を張る」 2023年4月16日(日)新宿シネマカリテにて。午後2時50分より鑑賞(スクリーン1/A-6) ~娼婦連続殺人事件を通して描くイラン社会の暗部 「ボーダー 二つの世界」(2018年)を鑑賞した方はいるだろうか。醜い容貌ゆえに孤独な人生を送りながらも、特殊な嗅覚を活かして税関業務で働くヒロインがたどる運命を描いたファンタジー調のスリラーで、異様な緊張感と不気味さに包まれた出色の映画だった。 その映画を監督したアリ・アッバシの新作が「聖地には蜘蛛が巣を張る」である。イラン系デンマーク人のアッバシ監督が、イランで実際に起きた娼婦連続殺人事件を基に描いたドラマだ。 2000年代初頭、イランの聖地マシュハドで娼婦ばかりを狙った連続殺人事件が発生する。「スパイダー・キラー」と呼ばれる犯人は、犯行声明で自分は街を浄化するために行っていると語る。女性ジャーナリストのラヒミ(ザー

    「聖地には蜘蛛が巣を張る」 - 映画貧乏日記
  • 「ザ・ホエール」 - 映画貧乏日記

    「ザ・ホエール」 2023年4月10日(月)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時20分より鑑賞(スクリーン2/D-9) ~死にゆく巨体の男の愛と悲しみとこの世でやり残したこと 「レスラー」でミッキー・ロークを、「ブラック・スワン」でナタリー・ポートマンを輝かせた実績を持つダーレン・アロノフスキー監督。今度の新作「ザ・ホエール」ではブレンダン・フレイザーを輝かせた。 心に傷を抱えた巨体の男が自らの死期を悟り、疎遠だった娘との絆を取り戻そうする5日間を描いたドラマだ。 恋人のアランを亡くした悲しみから立ち直れずに、過症に陥ってしまったチャーリー(ブレンダン・フレイザー)。272キロの巨体で、歩行器なしでは移動できないほどだった。大学のオンライン授業の講師として生計を立てているが、心不全の症状が悪化。アランの妹で看護師のリズ(ホン・チャウ)は病院に行くことを勧めるが、チャーリーは拒否す

    「ザ・ホエール」 - 映画貧乏日記
    singark071781
    singark071781 2023/04/16
    いつか見たいと思います、ありがとうございますm(_ _)m
  • 「GOLDFISH」 - 映画貧乏日記

    GOLDFISH」 2023年4月1日(土)シネマ・ロサにて。午後1時20分より鑑賞(シネマ・ロサ1/C-4) ~あのキラキラした青春は帰ってくるのか!?パンクロックバンドの再結成をめぐるドラマ 昔、ロックバンドでベースを弾いていた。ライブハウスにも出演していた。そのせいか、ロックバンドを扱った映画にはどうしても興味を引かれてしまう。 「GOLDFISH」はパンクロックバンド「アナーキー(亜無亜危異)」のギタリスト、藤沼伸一が初めて監督を務めた映画だ。 1980年代に人気を博したパンクバンド「ガンズ」の元メンバーでギタリストのイチ(永瀬正敏)のもとに、リーダーだったアニマル(渋川清彦)から電話がかかってくる。それは再結成の誘いの電話だった。30年前、ガンズはメンバーのハルが傷害事件を起こしたことにより活動休止を余儀なくされた。それから30年、金に困ったアニマルは再結成を目論んだのだ。 イ

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  • 「メグレと若い女の死」 - 映画貧乏日記

    「メグレと若い女の死」 2023年3月22日(水)新宿武蔵野館にて。午後12時より鑑賞(スクリーン1/C-7) ~ドパルデューが演じる老境のメグレ警視。人間ドラマに見応えあり 日でもおなじみのメグレ警視。ベルギーの小説家ジョルジュ・シムノンの推理小説の登場人物で、過去に映画テレビでジャン・ギャバン、マイケル・ガンボン、ローワン・アトキンソンなどが演じている。 そして今回、メグレ警視を演じるのはフランスの名優ジェラール・ドパルデュー。そして、監督は「仕立て屋の恋」でおなじみの名匠パトリス・ルコント。とくれば、これは味わい深い映画になること請け合いである。 ちなみに、「仕立て屋の恋」もジョルジュ・シムノンの小説が原作だ。 1953年。パリ・モンマルトルのバンティミーユ広場で、シルクの高級なイブニングドレスを着た若い女性の刺殺体が発見される。遺体の身元は不明。捜査に乗り出したメグレ警視(ジェ

    「メグレと若い女の死」 - 映画貧乏日記
  • 「オットーという男」 - 映画貧乏日記

    「オットーという男」 2023年3月19日(日)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時40分より鑑賞(スクリーン6/B-7) ~ヘンクツな老人が隣人一家との交流で変わっていく姿を絶妙のブレンドで 「オットーという男」の予告編を観た時に、「はて? どこかで聞いたような話だな」と思ったのだが、何のことはないスウェーデン映画「幸せなひとりぼっち」のリメイクだったのか。とはいえ、さすがハリウッド。なかなか味わいある小品に仕立てている。 町の嫌われ者でいつも不機嫌なオットー(トム・ハンクス)。曲がったことが許せない彼は毎日近所をパトロールして、ゴミの出し方や駐車の仕方などルールを守らない人を説教していた。おまけに挨拶をされても仏頂面、野良には八つ当たりというなんとも面倒で近寄りがたい男だったのだ。 映画の冒頭、オットーがDIYショップ(?)でロープを買うシーンから、すでに彼の性格が表れている

    「オットーという男」 - 映画貧乏日記
  • 「コンパートメントNo.6」 - 映画貧乏日記

    「コンパートメントNo.6」 2023年3月12日(日)新宿シネマカリテにて。午後3時より鑑賞(スクリーン1/A-8) ~極北に向かう列車の中で変化し始める最悪の仲の女と男 先日のアカデミー賞は「エブエブ」の圧勝。まあ、いろいろ見方はあるだろうが、ハリウッドで影が薄かったアジア系俳優にスポットライトが当たったことは、とても良かったと思う。 その前日の日曜日、近所の映画館に「オットーという男」を観に行こうと思ったら、かなりの混雑。隣りの席にも人が座りそうな勢いだったのでやめたのだ。コロナはやっぱり怖いのだ。 というわけで、方針転換して前から観たかった「コンパートメントNo.6」を観に、新宿シネマカリテへ。「コンパートメントNo.6」は2021年の第74回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、グランプリを受賞した作品。ちなみに、ユホ・クオスマネン監督は長編デビュー作「オリ・マキの人

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  • 「フェイブルマンズ」 - 映画貧乏日記

    「フェイブルマンズ」 2023年3月16日(木)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時40分より鑑賞(スクリーン5/G-13) ~複雑怪奇な両親との関係を描くスピルバーグの自伝的映画 スピルバーグも人生を振り返る年になったのかぁ~。 というわけで、スティーヴン・スピルバーグ監督の自伝的映画「フェイブルマンズ」だ。自身の幼少期から映画界への扉を開くところまでを描いている。 1952年、両親に連れられ初めて映画館を訪れたサミー・フェイブルマン少年は、大きな衝撃を受ける。母親のミッツィ(ミシェル・ウィリアムズ)は彼に8mmカメラをプレゼントし、それをきっかけにサミー(ガブリエル・ラベル)はカメラ撮影に夢中になっていく。彼の作る映像作品は次第に周囲を驚かせるまでになっていくが、まじめな科学者の父バート(ポール・ダノ)は、それを単なる趣味としか見なさなかった。そんな中、一家は父の仕事の関係で、

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  • 「オマージュ」 - 映画貧乏日記

    「オマージュ」 2023年3月11日(日)新宿武蔵野館にて。午後3時15分より鑑賞(スクリーン2/B-3) ~受難の時代をしなやかに描き出し映画への愛を綴る 女性の置かれた環境は厳しい。特に映画界は長らく圧倒的な男世界だった。最近は女性の進出も目覚ましいが、それでも依然として男性優位の世界だ。 韓国映画界でも、女性は長い間不遇の時代が続いていたようである。それを告発する映画が「オマージュ」だ。 主人公は中年の女性監督ジワン(イ・ジョンウン)。3作目の監督作が不入りで、新作を撮る目途が立たない。夫と大学生の息子と暮らすが、息子からは「母さんの映画はつまらない」と言われ、夫に「生活費を入れてくれ」と言ったら「自分で稼げ」と返される始末。おまけに何やら体調も悪い。そんなグダグダの毎日に不満を感じつつ、一方であきらめの感情もある。 そんなジワンはバイトとしてある映画の修復作業を引き受ける。それは

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  • 「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」 - 映画貧乏日記

    「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」 2023年3月3日(金)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後4時30分より鑑賞(スクリーン5/F-10) ~マルチバース+カンフー。笑いも満載でやりたい放題の怪映画 いくらSFでマルチバースが流行っているからと言って、誰がカンフーと融合させようと思うだろうか。 それをやってしまっているのがダニエルズ(ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート監督)。何しろ、腐りかけの死体がガスを放出しながら海を進むという奇想天外な映画「スイス・アーミー・マン」を作ったコンビだもの。 とはいえ、さすがに今回は「スイス・アーミー・マン」のような一発ネタの映画ではない。かなり複雑な話だ。 主人公はアメリカで夫とコインランドリーを営む中国移民のエヴリン(ミシェル・ヨー)。夫のウェイモンド(キー・ホイ・クァン)は何だか頼りない。経営が厳しい中で、国税局から納

    「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」 - 映画貧乏日記