多くは人の命を奪う重大な事件を起こしながら、刑が確定した後は社会から忘れ去られていく無期懲役囚。期限のない刑罰によって、人間はどう変わり、どう変わらないのか。 現在も服役している受刑者には、あえて無期懲役を狙って事件を起こし刑務所での生活を「とても幸せ」と表現する若者や、「有期刑なら深い反省はなかった」と考えを改め仮釈放の機会を自ら放棄した者など、様々な人がいる。彼らと手紙をやり取りする中で、無期懲役という刑罰の限界が見えてきた。(弁護士ドットコムニュース・一宮俊介) ●判決に万歳三唱 ”狙った”無期懲役 凶行は時速300キロ近いスピードで走行する新幹線で起きた。 2018年6月9日午後9時45分ごろ、新横浜ー小田原駅間を走行していた東海道新幹線のぞみの12号車で、乗客の女性2人がなたで切りつけられ、それを止めようとした兵庫県の会社員の男性(当時38歳)が首などを切られ死亡した。 現行犯逮