米国の住宅価格が、同時多発で広域的に高騰している。NCREIF(National Council of Real Estate Investment Fiduciaries:全米不動産投資運用業者協議会)発表の04年の不動産指数は全地域の指数ベースで14.49%の上昇となり、特にカリフォルニアやフロリダ、ネバダなどは、この1年で上昇率が25%を超えた。非伝統的住宅ローンと呼ばれるIOローンの利用が今年に入って住宅ローン全体の3割を超えた。このような購買能力を超えた購入を可能にしてしまう融資を利用し、短期で利ざやを取って売り抜ける投機的な動きが増えている。投機的動きはラスベガスなどで顕著で、現地を見ずにメールだけで取引するケースも数多く見られるという。 かつて日本も不動産バブルを経験し、その後の失われた10年が到来したが、いま米国に起きている住宅バブルを検証すると米国固有の事情が浮かび上がっ