夜中まで作業が続きそうなのでオフィスグリコにコインを落としてカップ麺を手に入れる。その場でばりばりパッケージを破いて、据え置きのポットからお湯を注ぐ。ジャンクフードのにおいをくんくんとかぐ。にんまりと笑う。それから気づく。割り箸がない。コンビニエンスストアで買えば箸をくれるけれど、オフィス内で買うとない、みたいだ。知らなかった。近くの席の社員と目が合う。相手の視線が自分の顔から夜食にスライドする。お、からだに悪そうなもん食ってますねえ。まだ食べてませんよう、箸がなくって、だから、どうしようかなーって。その会話の途中から机の抽斗をあける音がいくつも派手に響き渡って少し驚く。顔見知りの三人がそれぞれの席から割り箸を差し出している。みんなで顔を見合わせて笑う。 というわけで私は無事にカップ麺を食べることができて、割り箸のストックまでできて、みんなに愛されてるなーって思ったの。だっていやなやつがカ