うつ病へのリタリンの使用にまともなエビデンスはあるのだろうかと思い、医学都市伝説さんのリタリン排斥記事の虚妄を読みながらPubMedを検索してみた。この記事ではリタリンの適応として、抑制のみが残存した部分寛解の単極性うつ病、急速交代型の双極性うつ病、パーキンソン病(のアパシーや抑制?)が挙げられている。1) 単極性うつ病 PubMedで "depression methylphenidate" を検索用語としてRCTを検索したところ30件ヒットする。成人期のうつ病に関する文献は、HIV陽性者や高齢者に対象を限定したものを除くと2件だけで、メチルフェニデートの抗うつ効果は集団でみるとプラセボと差がないと結論されていた(Mattes,1985;Patkar,2006)。言い換えると、操作的に定義された「うつ病」または「治療抵抗性うつ病」というくくりではメチルフェニデートに反応する一群を認識する