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ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (19)

  • バルカンの日本と呼ばれた国 - himaginary’s diary

    Victor Petrovという欧州大学院のポスドクの学生が、ブルガリアにおけるハイテクとSFの発展をテーマとしたaeon記事「Communist robot dreams」を書いている(H/T Mostly Economics)。同国で電機産業が発展した経緯を説明した箇所では、以下のように日との関係について触れている。 Bulgaria was not such a strange place for these ideas to spawn lively debate. The Balkan state was, by the 1980s, the Eastern Bloc’s ‘Silicon Valley’, home to cutting-edge factories producing processors, hard discs, floppy drives and ind

    バルカンの日本と呼ばれた国 - himaginary’s diary
  • 政府は反企業的になるべき - himaginary’s diary

    とクリス・ディローが書いている。以下はその一節。 ...we must distinguish between business and markets. Business is about hierarchy and control; markets are about dispersing power. Markets are about competition, whereas business tries to suppress competition and seek monopoly power; the last thing big business wants is creative destruction. A pro-business government would seek to protect incumbents through red tape that st

    政府は反企業的になるべき - himaginary’s diary
  • かつて正しかった理論 - himaginary’s diary

    「Formerly True Theories (Wonkish and Self-Indulgent)」と題したエントリでクルーグマンが、かつては正しかったが、それを生み出した背景ゆえに成立しなくなった理論の例として以下を挙げている。 マルサス経済学 人口圧力が生産性の利得をすべて吸い上げてしまうため、大部分の人々は生存のための最低限の生活を余儀なくされる、という理論。 メソポタミアに文明が出現して以来の60世紀のうち58世紀は正しかった。 現代経済学流の考え方をしたマルサスのような人を生み出した潮流(知的好奇心、体系的な徹底した思考、科学的態度の勃興)そのものが、技術進歩を促し、マルサス的な罠から世界を救い出した。 ヒュームの正貨流出入機構論*1 1752年の「Of the balance of trade*2」は、経済学の発展において画期的な著作であり、明示的な数学は無いものの、単純

    かつて正しかった理論 - himaginary’s diary
  • 米国は多くの人にとって発展途上国に後退しつつある - himaginary’s diary

    というINETブログ記事でピーター・テミンの下記の新刊が取り上げられている。原題は「America is Regressing into a Developing Nation for Most People」で、著者は同研究所のSenior Research AnalystであるLynn Parramore。 The Vanishing Middle ClassPrejudice and Power in a Dual Economy【電子書籍】[ Peter Temin ] ジャンル: ・雑誌・コミック > 洋書 > SOCIAL SCIENCEショップ: 楽天Kobo電子書籍ストア価格: 2,743円 In a new book, The Vanishing Middle Class: Prejudice and Power in a Dual Economy, Peter Te

    米国は多くの人にとって発展途上国に後退しつつある - himaginary’s diary
  • なぜ資本主義は無意味な職を創出するのか - himaginary’s diary

    David GraeberというLSEの人類学者が、9/27付の表題のEvonomics記事(原題は「Why Capitalism Creates Pointless Jobs」)で、ケインズの「わが孫たちの経済的可能性」*1の労働時間の予言が間違った理由について、ややマルクス主義的な仮説を立てている(初出はストライク誌の2013/8/17付記事「On the Phenomenon of Bullshit Jobs」;H/T Mostly Economics)。 以下はその冒頭。 In the year 1930, John Maynard Keynes predicted that technology would have advanced sufficiently by century’s end that countries like Great Britain or the Un

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  • 蕎麦屋の蕎麦にラーメンの汁を足してみると - himaginary’s diary

    東京財団が消費税シミュレーションツールを公開し、やや炎上気味に話題になっている。指摘されている問題点の一つは、消費税率を動かしても成長率に影響しない点である。批判者はそれは現実的ではないと言い、擁護者はそもそもこのモデルにそうした動作を求めるのは蕎麦屋でラーメンを求めるが如く筋違いだと言う。 財政政策と実体経済とのフィードバック関係に関する最近の理論としては、ブログでも何度か取り上げているデロング=サマーズの研究がある*1。東京財団のモデルはフリーソフトのRで動く上に、ソースが公開されているため、修正が可能となっている。そこで、取りあえず3/21エントリでデロング=サマーズを基に考えたような税率変更から実質成長率への影響を、quick and dirtyな形で取り込んでみた。 具体的には、prj_m_.rの「実質GDP成長率 伸長」のブロックを以下のように変更してみた(最後の2行が追加行

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  • 最低賃金を引き上げるべき理由 - himaginary’s diary

    引き続き最低賃金ネタ。Economist's ViewのMark Thomaが、theFiscalTimesで最低賃金引き上げを訴えている。 彼の論旨は概ね以下の通り。 労働市場での賃金決定は、経済学の教科書通りに労働者の限界生産力に等しくなるように決まるわけではなく、労働者と経営者の交渉力によって決まる。 労働者の生産性が上がって製品の付加価値が増えても、追加収入の大部分が経営側に渡ってしまった、というのが近年起きたことであり、それが格差拡大にもつながった。 労働者側の交渉力を引き上げる一つの方法は組合。だが、右派の政治家が制定した法律や、企業が海外もしくは組合の力が弱い州に移転する能力により、組合の力は損なわれている。 労働者側の交渉力を引き上げるもう一つの方法は最低賃金引き上げ。最低賃金労働者は元々交渉力が乏しいが、最低賃金引き上げはその乏しい交渉力の代わりとなる。 最低賃金引き上げ

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  • 悪質な経済学批判であることの18の兆候 - himaginary’s diary

    をカナダ・ビクトリア大学のChris Auldが自ブログエントリで挙げている。以下はその18項目。 マクロ経済予測を、経済分析の主要ないし唯一の目標と見做している。 政治的な枠組みで批判する。最も一般的なのは、経済学者は市場原理主義者である、という主張。 「新古典派」という言葉をあたかも政治哲学、一連の政治対策、もしくは実際の経済を指すかのように用いる。おまけ:「新−古典派」(“neo-classical” or “Neo-classical”)と綴る。 「例の」新古典派モデル(“the” neoclassical model )という形で言及する。さもなくば、すべての経済思想がワルラス(1874)に詰まっている、と言う。 「新古典派経済学」と「主流派経済学」を同義で用いる。おまけ:「新自由主義経済学」を両者と同義で用いる。 「新自由主義」という言葉をとにかく用いる。 「企業のご主人様」に

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  • 建設業の人手不足は給与の上昇に結び付いたのか? - himaginary’s diary

    1週間ほど前に、ツイッター上で以下のようなやり取りを見掛けた。 https://twitter.com/cornwallcapital/status/601886936605700098:twitter https://twitter.com/nonowa_keizai/status/602303930521952256:twitter https://twitter.com/yhakase/status/602306214618234880:twitter 一方、5/18日付の日経朝刊のエコノフォーカスには以下の記述がある。 国交省によると、鉄筋工や左官などの技能労働8職種の3月の過不足率は、北海道や北陸に次いで東北も過剰に転じた。全国平均ではまだ不足状態だが、2014年3月をピークに不足率が縮小している。 14年の建設業の現金給与総額は1.4%増と、全産業平均の0.8%増を上回る高い伸

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  • 世界の経済的不平等について知っておくべき10のこと - himaginary’s diary

    をKathleen Geierというシカゴ在住のライターが自ブログで挙げている(H/T Economist's View)。 世界経済の不平等を計測するのは非常に困難 各国が実施する国別の調査はあるが、世界規模の統一的な所得に関する家計調査は存在しない。 国別調査は質や質問や手法が標準化されていない。さらに以下の問題がある: 何が所得かという問題。例: 自作農の所得をどう記録するか 医療保険(ある国では無料の皆保険、ある国では被雇用者の民間給付パッケージ)を所得として扱うかどうか 人々は得てして所得を正確に記憶していない。 所得形態が定期的に支払われる賃金でなければ無理からぬこと 富裕層貧困層も正しい値が得られない傾向がある。 多くの調査では開示所得に上限制約を掛けるため(topcoding*1)、富裕層の所得を過小評価する 異なる国の家計調査をつき合わせる際の通貨換算の問題。 経済的不

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  • 日本の金融リテラシーの世界における位置づけ - himaginary’s diary

    を示す図をUDADISIがブログエントリに上げている。 この図の引用元は、ダートマス大のAnnamaria Lusardiとペンシルベニア大のOlivia S. Mitchellの共著論文「The Economic Importance of Financial Literacy: Theory and Evidence」。ただし、図の元データとなる調査自体は、同じ著者の別の論文*1で既に2年前に報告されたものとの由。 グラフは、各国について、左側の模様入り棒グラフが金融リテラシーに関する3つの質問を全問正解した割合であり、右側の白抜き棒グラフが全問不正解の割合である。我が日は、調査8カ国中、全問正解率がスウェーデン、ニュージーランドと並んで最も低く(27%)、全問不正解率がロシア(28%)、イタリア(20%)に次いで高い(17%)、というあまり芳しくない結果になっている。 その3つの質

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  • 出生率と女性の労働参加率の関係 - himaginary’s diary

    昨日に続き出生率絡みの論文を紹介してみる。 以下は10年前のドイツはマックスプランク人口研究所のTomas Kögelの論文「Did the Association Between Fertility and Female Employment Within OECD Countries Really Change its Sign?」の要旨。 Recent literature finds that in OECD countries the cross-country correlation between the total fertility rate and the female labor force participation rate, which until the beginning of the 1980s had a negative value, has sinc

    出生率と女性の労働参加率の関係 - himaginary’s diary
  • ドイツ人経済ブロガーがいない10の理由 - himaginary’s diary

    というブログ記事をフェリックス・サーモンが上げていた。面白いので全部訳してみる*1。 ロイターに移籍して*2一番わくわくしたことの一つは、とてもブログっぽくかつ当の国際経済金融ウェブサイトを作り上げようとしていることだ。ブログっぽいというところが、僕を熱狂させる点だ。でも国際というところはちょっとした障害になるかもしれない。というのは、金融と経済に関するブロゴスフィアは、海外では米国ほど発展していないからだ。 でもとにかく僕らはフランクフルトではなくロンドンから人材を拾おうとしている。英国の経済ブロガーは米国よりはるかに少ないものの、少なくとも英国人はブログが何かを漠然とでも知っているし、積極的な人もいる。将来英国で活発なブロゴスフィアが形成されるのは考えられないことではない。逆に、ドイツでそうなるとは僕にはとても想像できない。 なぜかって? 10個の理由を挙げよう。 ブロゴスフィアは基

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  • 経済学徒が知っておくべき5つのこと - himaginary’s diary

    についてハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health)のDavid Hemenwayがreal-world economics reviewなる学術誌の直近号に書いている(H/T Mostly Economics)。 以下がその5項目: 人間は孤立した生き物ではなく社会的動物である 嗜好は変更可能で、特に子供と若者においてそうである 世の中には子供と若者が大勢いる(経済学の教科書にはほとんど姿を見せないが) 小売の購入者が自分の買う製品について詳細な情報を持っていることは滅多にない 大企業(やその他の経済的機関)は社会的および政治的な力をかなり持っていることが多い 当初Hemenwayは、機会コスト、限界分析、モラルハザード、外部性、囚人のジレンマゲーム、といったことを挙げようとしたが、結局は経済学に教科書にあまり出てこない上記項目にしたという。

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  • 共同声明の三重翻訳 - himaginary’s diary

    Britmouseが、今回の政府・日銀の共同声明の英語版には日銀の翻訳部門のトラブルによる問題があったとして、グーグル翻訳の助けを借りて中央銀行語を改めて平易な英語に書き直したという。それをさらに拙訳で日語に訳してみる。 日銀行は、金融政策は「物価の安定を達成し、それによって国家経済の健全な発展に寄与する」ことを目的とする、という原則の下に政策を実施している。 我々が「物価の安定」と言う時は、まさにその通りのことを意味している。CPI水準に全般的な動きが無い、ということだ。我々はその意図がこの上なく明確であることを期待している。安倍晋三氏は2%のインフレ目標を我々に設定させたがっている。彼は自分を何様だと思っているのだ? 安倍氏は「目標」について話したがっているが、我々は「願望」について話したいと考えている。特に、「漠然とした願望」についてだ。先述の通り、我々が真に欲しているのは0%の

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  • 世界を良くするためにできる最も重要な一つのこと - himaginary’s diary

    新年明けましておめでとうございます。 表題の件についてシャシ・タルールが書いたProject SyndicateをMostly Economicsが紹介している。その設問(What is the single most important thing that can be done to improve the world?)への答えは次の2語で表わされるという:「educate girls」。即ち、女性を教育すること、とのことである。 これについてタルールは以下のように説明している。 It really is that simple. No action has been proven to do more for the human race than the education of female children. Scholarly studies and research p

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    sinoda2
    sinoda2 2013/01/02
  • 崩壊の政治的論理:ソ連崩壊からの7つの教訓 - himaginary’s diary

    Centre for Liberal StrategiesのIvan Krastevが、ソ連の崩壊からEUの崩壊の可能性について7つの教訓を引き出している(Mostly Economics経由)。 連合が崩壊するわけがないという信念が、目先の利益のために反EU派に迎合的な政策を取ることや時間要因の軽視を通じて、崩壊の主要なリスクになるというパラドックス。 EUの崩壊はEU反対派がEU推進派に勝利することによってもたらされるとは限らない。長期に亘る機能不全の思わぬ帰結として生じ得る。指導者層が各国の政治力学を読み誤れば、そうした崩壊は加速する。 改革の欠如ではなく、方向性を誤った改革が崩壊をもたらす可能性がある。危機において政治家たちは「銀の銃弾」を捜し求めるが、その銃弾が死の原因となることが良くある。 主要なリスクは、周縁の不安定化ではなく、中央における反乱である。ソ連の運命を決したのはバ

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  • 消えた女性たち - himaginary’s diary

    雛祭りの日の相応しい話題では無いような気もするが、アジアにおいて来あるべき男女比に鑑みて女性が少なすぎる、というアマルティア・センが提起したMissing woman問題に関して新たな視点を提供する論文をタイラー・コーエンが紹介している。論文の著者はSiwan AndersonとDebraj Rayで、既に2年前にReview of Economic Studiesに掲載されたものとの由。 この研究の一つの特徴は、男女比の不均衡が出生時の間引きだけに起因しているのではなく、成長後に罹患した病気の手当てが不十分であることも要因となっていることを明らかにした点にある。また、中国とインドとサハラ以南のアフリカという3地域を対象に研究を行っており、対象をアジアに限定していないことも特徴となっている。 以下は推計された「消えた女性たち」の年齢別分布のグラフであるが、出生時以外にもこぶが見られ、

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  • バック・イン・ザ・U.S.S.R. - himaginary’s diary

    2009年末に死去したエゴール・ガイダルが、2006年11月の自著(下記参照)宣伝のAEI講演時に、ソ連崩壊の原因を穀物と原油という2つのキーワードで説明している(Mostly Economics経由の4年半前のタイラー・コーエンのMRエントリ経由)。 Collapse of an Empire: Lessons for Modern Russia 作者: Yegor Gaidar出版社/メーカー: Brookings Institution Press発売日: 2007/11/02メディア: ハードカバー購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログを見る その講演内容は概ね以下の通り。 このの執筆動機は、以下の2つ: ブレジネフ時代の水準に近づいた原油価格の高騰。 改革を実施しなければソ連は超大国の座を維持していたという神話の流布。ロシア人の8割以上がそれを信じているというが、

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