認知症の人がホールスタッフを務めるイベント型のレストラン「注文をまちがえる料理店」。「がん(cancer)」の頭文字のCがつく商品からCを消すと、商品売り上げの一部ががんの治療研究に寄付される「deleteC」――。 一見、肩肘を張りがちな「社会課題」をユニークな切り口で取り上げ、話題性のある数々のプロジェクトを手掛けるのは、元NHKディレクターの小国士朗さんです。 放送局時代からブランディングやデジタル施策に力を入れるなど、「番組を作らないディレクター」として“異彩”を放っていた小国さん。多くの人を惹きつける「企画」を一体どうやって生み出しているのでしょうか。その「思考回路」をまとめた新刊『笑える革命』(光文社)の中から、一部を特別に公開します。 僕には専門性がない 僕はよく「自分は●●のど素人です」という言い方をします。 ●●には、「認知症」や「がん」といった言葉が入ってくるわけですが