先週のコラムで運動強度が高くなると運動の割に消費カロリーが増えないという最新情報を紹介した。研究チームの解析によると、運動によって体の炎症が抑えられ免疫系の細胞が無駄に使っていたカロリー分が減少した可能性が示唆された。 もし、運動により炎症が抑えられるなら、慢性的なアルコール摂取による肝臓の炎症や肝障害も軽減するかもしれない。米国ミズーリ大学医学部消化器病学のニコラス・スザリー博士らの研究チームはネズミの実験で有酸素運動がアルコールの慢性的過剰摂取による肝障害を軽くする可能性を示唆して話題を呼んでいる。 米国では毎年8万人が過度のアルコール摂取により肝硬変などの疾患で死亡していると報告されているが、死亡に至らなくても多くの人が慢性的なアルコール摂取による脂肪肝や肝障害で治療を受けているのが現状だ。 研究チームは高活動性ラット(別名ランナーラット)に注目した。このラットは恒常的に有酸素