元旦の社説には、その新聞の考え方や何を重要視しているかが表れるもの。本欄では2017年の元旦の読売、朝日、毎日、日経、産経の五紙の社説を概観したい。 書かれたテーマは大きく2つ。朝日と産経がおもに「憲法」について、読売、毎日、日経が「国際的な反グローバリズムの潮流」についてだった。 憲法について正反対の朝日と産経まず、憲法について書いた朝日と産経を見てみよう。以下は各社説の概要。 朝日「憲法70年の年明けに 『立憲』の理念をより深く」トランプ氏の米国をはじめ、幾多の波乱が予感され、大いなる心もとなさとともに年が明けた。各国を席巻するポピュリズムは、人々をあおり、社会に分断や亀裂をもたらしている。 不穏な世界にあって、日本は今年5月、憲法施行70年を迎える。「立憲主義」という言葉の数年来の広がりぶりはめざましい。立憲主義は、時に民主主義ともぶつかる。独裁者が民主的に選ばれた例は、歴史上数多い