本日の日記は、学者の一般的な印象に関する話である。 先日友人に、学問で食えないと愚痴を言っていた。そうしたらその友人に、「そういえばずっと前の音声の解説面白かったよ」と言われた。音声は私の専門である。それはそれで嬉しいのだけれど、その友人はそれを私の作業への最大限の肯定として言っていたのが残念でもあった。なぜ残念なのかといえば、解説こそが学者の仕事だという印象を抱かれていることがなんとなく分かったからである。付き合いの長い友人で、これからも付き合っていくだろう友人がそういう感じなので、おそらく周りに学者がいない人は、テレビや新聞で解説している学者の印象しかないだろうと思う。 学者の作業で最も多くの時間を割かねばならないのは、研究に関する試行錯誤であり解説ではない。特に、素人への解説はエンターテインメントの側面が強いので、作業の中心とはならない。また、順序立てて公式のようなものを当てはめてい