リスボンの街並みを背に少年・ミゲルくんが「ラ〜ラ〜ララ〜♪」と澄んだ声で歌いはじめる「消臭力」のCM。震災間もない 2011 年 4 月から放映開始された、誰もが知るこのCMには得も言われぬ強烈なインパクトがありました。 しかし、この「インパクト」という言葉。エステーの宣伝部長としてクリエイティブ・ディレクションを担い、次々とヒットCMを生み出し続ける鹿毛 康司(かげ こうじ)さんが「制作の現場」で使用を禁止しているワードの 1 つです。 鹿毛さんは大手メーカー「エステー」の宣伝部長でありながら、自らその「制作の現場」にも入り込みます。けっしてCMの「発注者」「クライアント」としてご自身が受け身であることを良しとしません。多くの企業と異なるスタンス。 「なぜ、業界の常識を破り『制作』にまで携わるのですか?」 そんな私たちの最初の質問に、鹿毛さんは、 「嬉しいことにつくってきたCMは日本でト