信彦は図書館で国家試験を受ける為の勉強をしてた。 自宅でもいいのだが、信彦は学生時代から割と図書館を利用してる。 自宅は生活の場でもある環境なので、誘惑もあり、なかなか集中出来ないが、ここはその為の場所なので、わざわざ足を運ぶ事を差し引いても、充分価値があり、モチベーションも上がる。 信彦はその女性と一瞬目が合った。 知らない人だが女性は迷わず信彦に近付いてそのまま信彦の隣に座った。 「助けて下さい!」 女性の小さいが鋭い声と切迫感溢れる表情で信彦は何かを察し、周りの様子を見る。 どう見ても図書館とは縁遠い風貌の男が入って来た。 女性の顔がみるみる強張る。 信彦はとっさに 「遅いよ、みっちゃんもう 笑」 女性も機転を利かせて合わせてきた。 「ごめんねてっちゃん!電車一本遅れちゃって 笑、ちゃんと勉強やってる?」 「遅れて来て何言ってる! 笑」 信彦は女性と会話しながらも、目の端で男の様子を