映画『さざなみ』を鑑賞。 年上の友人夫妻から「ぜひ観てほしい、感想を教えてくれ。きっと私達とは違う受け取り方をするだろうから」と強く薦められたので急遽映画館へ。そんな珍しいきっかけだったが、とびきり素敵な映画でした。 主人公は、晩年といって良い年齢の夫婦。穏やかで節制とユーモアのある田舎暮らしを楽しんでいる。結婚45周年を目前としたある日、そんな彼らのもとに、1通の手紙が届く。夫が結婚前に交際していた女性の遺体がスイスの山中で発見された、との事。 夫はその、もはや思い出でしかない過去を遡りはじめる。今となってはどうすることもできないし、決着済みの感情であっても、思い出さずにはいられないのだ。 その夫の変化と、なによりも自分の変化に戸惑い、苛立ち、悲しむ妻。この主役の女性が、すばらしい演技だった。ちょっとした表情や台詞、ため息まで含めて、観る側の納得感というのか、ああそういう気分になるのも無