たまには、ボクシングの話です 私は日本ボクシングコミッション(JBC)のコミッションドクターをしています 昨年は穴口一輝選手が、試合後に右硬膜下血腫で緊急手術を受け、その後亡くなられています 最近では、前世界チャンピョンの重岡銀次朗選手が試合後に急性硬膜下血腫を発症し、開頭手術を受けています。 昨日も同様な事故があったようで、近年頻発している状況です。 原因として、近年は選手のパンチ力が昔よりも強くなっていることもありますが、過度な水抜き(急激な減量)も大きな要因ではないかと考えています。 正常な状態の脳は脳脊髄液に浮かび、この脳脊髄液が衝撃吸収材として脳を保護する役割を果たしています。脳と頭蓋骨の間には適切な脳脊髄液のスペースが存在し、また脳表面を走行する「架橋静脈」は、通常たるんだ余裕のある状態で硬膜と脳を橋渡しするように存在しています。 しかし、試合前の減量によって重度の脱水状態に陥
