酷い邦題とパッケージを付けられてしまった、静謐で格調高いトミー・リー・ジョーンズ監督・主演作品。2014年のカンヌ映画祭コンペ部門で上映された時から気になっていて、ようやく普通に観られるようになった。 邦題やパッケージから来る勇ましい西部劇のような印象とは全く異なり、この作品には田舎町を蹂躙する悪党や胸のすくような銃撃戦といった西部劇らしい要素は一切無い。 ヒラリー・スワンク扮する主人公と老いた無法者のトミー・リー・ジョーンズの二人は、気の触れた三人の女性達を寂れた田舎町から彼女達を保護してくれる教会まで送り届ける為に共に旅をする。 三人の子供を疫病で一度に亡くした女、夫に『子供を産む機械』として酷い扱いを受けた女、そして子供を殺した女。心が壊れた三人の女性達それぞれの哀しみが、西部劇らしからぬ細やかな描写で、短い中に的確に描かれている。 そして彼女達を送り届けるヒラリー・スワンクの背景も