「すし匠」親方 中澤圭二 東京都生まれ。中学卒業後、料理の世界へ。全国各地で修業したあと、1989年、「すし匠さわ」を東京・二番町に開店。93年、四谷に 「すし匠」を開き、現在に至る。著書に『鮨屋の人間力』がある。 いらっしゃいませと、「すし匠」の親方・中澤圭二さんから目と言葉で迎えられた。接客マニュアルに書いてあるのか目を合わさない義務的な挨拶が主流になるなかで、中澤さんはお客の目をしっかり見る。東京・四谷に店を開いて間もない頃、お客の気分を害した失敗から目を見て迎え、目を見て話すことの大切さを改めて教えられたからだ。 「私も子どもたち(従業員)もロボットにならないことを心掛けています。このお客様はもうおなかいっぱいなのかな、といったことは、ロボットには判断できなくても人間なら自然にわかることですよ」 と簡単に言うけれど、「お任せ」で出される握りやつまみは、お客が食べたいと思う頃を見計ら