名古屋大学は、カーボンナノチューブの筒状構造を持つ炭素分子「カーボンナノベルト」の合成に初めて成功した。 60年前から提唱されていた技術 名古屋大学の伊丹健一郎教授らによる研究グループは2017年4月、カーボンナノチューブの筒状構造を持つ炭素分子「カーボンナノベルト」の合成に初めて成功したと発表した。単一構造のカーボンナノチューブ合成や新たな機能性材料の開発につながるとみられている。 今回の成果は伊丹氏の他、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業の「伊丹分子ナノカーボンプロジェクト」で活動する名古屋大学の瀬川泰知特任准教授、Guillaume Povie博士研究員らの研究グループによるものである。 カーボンナノベルトは、ベンゼン環同士が互いの辺を共有して、筒状の構造を構成した炭素分子の総称である。約60年前に提唱されていたものの、ベンゼン環が筒状になることで大きなひずみを生じるた
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