電力の原発停止問題は、前回説明した「ピーク・デマンド」の引き下げだけに限定されず、日本経済に抜本的な影響をおぼす可能性がある。 電力問題は、国家の信用を揺るがせかねない。国家の信用力低下は、金融市場に大きな混乱を与えるかもしれない。金融市場の混乱は、経済に必ずマイナスとなる。だから、もっと広い視野の中で議論するべき問題なのだ。 「経常収支、赤字転落」の意味合い 2012年3月8日に財務省から発表された経常収支の赤字転落は、金融業界に大きな衝撃を与えた。国債の価格を安定させているとされる理由のひとつが、ついに失われたからだ。 GDPの規模を超える借金を国が抱えても、国債の価格が暴落しない理由は3つある。ひとつは、日本の消費税率はまだまだ低いからだ。欧州の付加価値税は20~25%程度である。だから、まだまだ税金を徴収できる余地が大きい。それを考えると、国債の償還もなんとかなる。きっと償還される
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