2021年2月から2022年2月までの間に合計11回発生したみずほ銀行のシステム障害は、様々な「誤解」が流布しています。 みずほ銀行のシステム障害を追いかけ続けてきた「日経コンピュータ」の記者が、システム障害の真相やそこから得られた教訓について解説します。我々ITエンジニアが、より良いシステムを作る為に、みずほ銀行のシステム障害から何を学ぶべきなのでしょうか。 ポストモーテム、実は4冊目 中田 敦と申します。14年ほど日経コンピュータに所属しており、うち4年間をシリコンバレー支局で過ごしました。普段は、海外ネタの方を追いかけている記者です。その記者がなぜ、みずほ銀行の本を書いたかについては後ほどご説明しますね。2022年出版の「ポストモーテム みずほ銀行システム障害 事後検証報告」は、2020年出版の「みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史」の続編だと思われがちですが、我々日経コンピュータ