毎日、二歳になる娘の顔を見るのがとにかく楽しみだ。いつも私たち夫婦より後れて起床する娘は、やっと習得した日本語で「お母さん、おはようござます」「お父さん、おはよごます」と語りかけてくれる。 三十年以上も生きていると、朝の挨拶はもはや無意識レベルの習慣になっているが、娘にとっては、それが何よりの一大イベントであり、毎日しっかり行いたい行事のようである。まずはキッチンのお母さん、その後に、自室で仕事に行く準備をしている私の元へ。律儀に挨拶に来る様子はとても微笑ましく、同時に、忘れていた大切なことに気づかせてくれるような、そんな感覚を抱かせてくれる。 「子育て二年生」である私たち夫婦は、言うまでもなく、何度も後悔を重ねてきた。つい感情のままに怒ってしまい、寝顔に謝ったことも一度や二度ではない。「人が人を育てる」とはこんなにも難しいことなのかと、日々勉強の繰り返しである。子育ての難しさは、金銭面や