2020年5月1日、米国カリフォルニア州ハンティントンビーチで開かれた集会で、「新型コロナはでっちあげ」と書いた紙をマスクに貼ってロックダウンに抗議する人。(PHOTOGRAPH BY JAMIE LEE CURTIS TATE) 人々が何かを正しく理解することに、誤った情報がどれほど影響を与えるかをいちばんよく知っている人々といえば、気候科学者だろう。彼らは長年、地球の温暖化を示す科学的な知見を伝えようと努力する一方で、誤った解釈やフェイクニュースとも闘ってきた。コロナ禍の今、これと同様のインフォデミック(正しい情報と誤った情報の両方が氾濫している状態)が世界を揺るがせている。 近年、インターネットを使って簡単に学術論文を入手できるようになったおかげで、誰もが新型コロナや気候変動のにわか専門家になれるようになった。しかしこうした人々は、自分に都合のよいデータを選び出して、もっともらしいこ