現在、東京都心部は2020年に開催される東京五輪に向けて再開発プロジェクトが目白押しだ。そんな再開発ラッシュのなかでも、ひときわ地元民や関係者以外の人たちからも注目を集めている案件がある。それが、日本橋の再生計画だ。 日本橋の上空には首都高の都心環状線があるが、これは1964年に開催された東京オリンピックに向けたインフラとして、開催の前年に竣工。以来、日本橋の上に高速道路が架かることになった。 地元住民などは日本橋にアイデンティティを抱いており、上空に高速道路があるという風景をなんとか解消しようと前回の東京五輪直後から働きかけを続けてきた。しかし、いったん建設された高速道路を撤去することは容易ではなく、今に至っている。 周辺住民の「日本橋に空を取り戻す」という悲願達成に向けチャンスが訪れたのは、2002年だった。小泉純一郎政権が発足すると、その風景は醜悪だとして首都高を除去・移設することが