日本で累計1500万部以上が売れたというSF大河小説『銀河英雄伝説』(田中芳樹著)の中国語版がこの秋、中国でも出版されることになった。これまでもネットでの無断転載や海賊版などで読むことはできたが、正規版の出版は大陸中国では初めて。この作品は中国の若者の間で「宇宙版三国志」と称される圧倒的な支持を受けており、都市生活者や学生たちの間ですっかり定着した「村上春樹現象」と並んで、日本発の小説の人気ぶりを表している。 『銀河英雄伝説』(略称・銀英伝)は広大な銀河系を舞台にしたスペースオペラ。「銀河帝国」と「自由惑星同盟」両陣営の攻防を軸に、若き2人の英雄ラインハルト・フォン・ローエングラムとヤン・ウェンリーの生涯を中心に描く。 ジャンル的にはSF小説だが、「科学技術的な描写は重んじず、対立する陣営のイデオロギー、人物像、権謀術数、歴史の流れを正面に出し、『後世の歴史家』の観点から叙述することで、さ
「市民ジャーナリズム」をうたったOhmyNews日本版が、きのう創刊された。事前の「開店準備ブログ」にも批判が多かったが、創刊号は予想以上にひどい。サーバの負荷が大きくて読むに耐えないし、TBもできないなど、今どき創刊するウェブベースのメディアとは思えない。 それよりも悪質なのは、内容だ。特に斉藤貴男氏の「時代状況に抗え」と題するコラムは、加藤紘一氏の自宅が放火(?)された事件について「ほぼ九分九厘、靖国参拝に批判的な言論に対する暴力プラス恫喝」という推測にもとづいて、コメントしない政治家やジャーナリストを指弾し、住基ネットなどの「監視社会」を呪い、朝日新聞の「NHK番組改変事件報道」事件は言論弾圧事件だという。 まだ放火かどうかもはっきりしない事件に、コメントしないのは当たり前だ。警察の発表をもとにして犯人の動機まで勝手に推測するメディアが、人権侵害を生んできたのではないか。斉藤氏を
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