米国は、中国が国際基準を尊重して多国間体制の中で適切な役割を果たす限り、同国が大国の地位に就くことを歓迎する、と述べている。だが中国は、自分たちが国際舞台で何かをするたびに米国がそれを封じ込めにかかると感じている。アジアインフラ投資銀行(AIIB)の事例においても、米国の態度は中国が抱くこうした陰鬱な懸念を裏づけているように見える。米国は中国に対して囲い込み政策をとっているのだ。だがこの政策は原理上も誤っているうえ、実際にうまく運んではいない。 中国は世界最大の外貨準備高を保有する。そして、アジアが持つ巨額の貯蓄と、それ以上に大きなインフラ整備(新しい橋や道路その他、開発に必要なもの)のニーズのマッチングを行う新たな銀行の設立を計画している。米国はこの構想をよく思っていない。新銀行には高水準の信用度と透明性がないと考えているからだ。 中国の影響力拡大を恐れる米国 また、米国はAIIBを通じ