まず、地下への入り口を見逃してはいけない。そのミッションをクリアし、地下に下りると、スナックが並ぶ薄暗い廊下に出る。「ここにミシュランに認められた店があるのか……?」などと思って歩いていると、しゃれた扉の『西荻燈』にたどり着く。席数は5席のとても小さな店だ。 最初はとりあえず、白河ラーメンの有名店「とら食堂」の店主の本に、作り方が全部書いてあったからそのとおりに作ってみた、という。この店の前身である『をかしやそば』時代の話だ。同じ西荻で店を移転し、2019年に『西荻燈』として再スタートした。 当初はレシピ通りだったが、材料も水も現地とは違う。西荻で手に入るもので作り方と味は変化を続けてきたため、もう白河ラーメンとは言えない、と話す。「白河ラーメンだと思ってたら違った、って言われちゃうと困るんで……」このことは、店頭にも張り出してある。 できあがったスープが気に入らなければその日は休業してし