(英エコノミスト誌 2011年2月26日号) 戦時中の残虐行為に関する調査が始まったが、メディアは奇妙なまでに沈黙を貫いている。 大量殺戮の証拠が東京中西部の高級地区に眠っているかもしれない。真実を究明する作業を始められるよう、日本政府が居住者のいる集合住宅を取り壊すまでに、4年以上の歳月がかかった。だが2月21日、2台のショベルカーが地面を掘り始め、土を丁寧に選り分けて人骨を探す作業が始まった。全国メディアはこのことを、全くと言っていいほど取り上げていない。 日本のジャーナリストは通常、不可解な殺人事件に背を向けたりしない。だが、この事件は格が違う。発掘現場は、第2次世界大戦中に日本が犯した数々の犯罪の中でも最も残忍な悪事と関係している可能性があるからだ。 陸軍731部隊の人体実験と関係か? 事件は、化学生物兵器の技術開発を任されていた大日本帝国陸軍の隠密組織「731部隊」の軍医が関与し
1989年に大量の人骨が見つかった東京都新宿区戸山の旧陸軍軍医学校跡地で、厚生労働省は近く、初めての発掘調査に着手する。この場所を巡っては軍医学校に勤めていた元看護師が「終戦後、進駐軍に見つからないように人体標本が埋められた」と証言している。発掘調査を求めてきた市民団体によると、戦時中に中国で細菌や毒物の生体実験をしたとされる関東軍防疫給水部(七三一部隊)の日本における研究拠点があった場所にあたるという。 発掘調査のきっかけは、戦時中に軍医学校に召集されて勤務していた女性が2006年、「終戦後に軍医学校付近の少なくとも3カ所で解剖した遺体の標本が埋められた」と初めて具体的に証言したこと。それを受け、当時の川崎二郎厚労相が調査の実施を明言した。 女性が証言した場所は、都立戸山公園に隣接する国有地(1)、その約250メートル東に位置し、89年に100体分以上とみられる人骨が掘り出された場所
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