これから書くのは、研究所で仕事を行なう中で浮かんだ多くのアイデアを結びつけようとして、数ヶ月にわたり書き継いできた一連のメモである。たくさんのフィードバックをいただければと思う。 序文 私は30年近く「ニューメディア」の可能性を探究してきた。媒体としての書籍の本質的な性格を理解しようとした早い段階で、なるほどと閃く重要な瞬間があった。突破口となったのは、本の物理的な形や内容について考えるのを止め、代わりに本がどのように利用されているかに考えを集中したときだった。その当時、出版物は他のメディアと比べ、コンテンツにアクセスする順序や速度を利用者に完全にゆだねる点がユニークだった。理解できるまで段落を再読したり、文章間をほぼ一瞬で行ったり来たりしたり、立ち止まって余白に書き込んだり、ただ考えてみたりできる――(比較的安価で、持ち運びできるパッケージに入った)この熟考のアフォーダンスこそが、なぜ本