日本の電力系統(送配電網)は火力発電所等と需要地を結ぶ形で形成されてきた。既存の発電所は電力需要のピーク(昼間)を踏まえて設計されており、炉の温度を下げずに、夜間も発電し続けている。一方、太陽光発電や風力発電をはじめとする再生可能エネルギーの導入が進み、それらの系統接続が進められている。 電気を貯える(蓄える)ことで、需要が多いときは夜間電力の底上げを図り、需要が少ないときはエネルギーの無駄を減らすことが可能となる(図1参照)。系統電力と再生可能エネルギーがバランスよくミックスされた電力ネットワークの実現、新規の発電所建設にかかる投資コストの抑制、ひいてはCO2削減効果の創出に寄与する可能性もある。 本コンテンツでは、さまざまな電力貯蔵技術の原理やシステム特徴を概観するとともに、社会実装に向けた研究開発の動向などを紹介する。 ※掲載内容は2023年1月時点の情報に基づいております。 ※外部