内閣府は6日、経済再生と財政健全化を話し合った1日の経済財政諮問会議の議事要旨を公表した。菅義偉官房長官が「これだけの円安になっても、輸出がほとんど動いていない。ここは大きな問題がある」と円安効果が出ていない現状に強い危機感を示していた。 この日は円相場が一時、6年1カ月ぶりに1ドル=110円台をつけた。菅氏は「円安で収益が上がってきているにもかかわらず、設備投資は全く比例してない。海外に出ている企業が日本に戻ろうという雰囲気もまだ出ていない」と指摘。安倍晋三首相も「最近の為替水準で、海外に出た企業が国内に生産を戻すことがどれくらいのスパンで起こるのかも含めて、検討が必要だ」と語った。 政府側からのこうした懸念に対し、日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁は「輸出は少しずつは伸びていくと思う。ただ、そのテンポは若干緩やかなものになる可能性がある」との見方を示した。(鯨岡仁)
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