突き出た目とマジックハンドのような突き出た口……。 上の図の生物は、3億年前の石炭紀の海に生きていた「タリーモンスター」と呼ばれる生物です。 この奇妙な生物は非常に謎が多く、1958年に化石が発見されてから現在に至るまで、脊椎動物か無脊椎動物であるかもわかっていません。 2016年にはアメリカのイエール大学の研究者が数千もの化石を解剖学的に調べて、タリーモンスターには脊椎動物のような臓器を持っていると結論付けましたが、直接的な証拠とは言えませんでした。 そこで今回、ウィスコンシン大学の研究者らは論争に決着をつけるべく、化石に残された化学成分の分析を行うことにしました。 化学成分による分析は解剖学的な分析にくらべて、より直接的な証拠となります。 分析を行った結果、タリーモンスターは脊椎動物的な化学成分を持っていたことがわかりました。 今回の成果はタリーモンスターの正体を巡る論争に大きな方向性