自主レーベルを設立したベルリン・フィルと指揮者のサイモン・ラトル(昨年11月19日、東京・赤坂のサントリーホールで)写真・三浦興一 クラシック音楽のレコードレーベルに世界的な再編の波が押し寄せている。 名門のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が自主レーベルを設立する一方、イギリスの老舗レーベル「EMI」が売却された。最新の動向を探った。 ベルリン・フィルは6月、東京で自主レーベル「ベルリン・フィル・レコーディングス」の設立を発表した。オーケストラが自らリスクを取って録音ビジネスに乗り出すのは、「自分たちがやりたいことをしたい」からだ。 その第1弾はシューマンの「交響曲全集」(キングインターナショナル)。世界的指揮者で同フィルの芸術監督、サイモン・ラトルは、「(大ヒットは)難しいかもしれないが、我々にとっては大事なレパートリー」と語った。 布張りのハードカバーという凝った装丁のブックレットに