パナソニックが9年ぶりの社長交代を行う。さらに2022年4月には持ち株会社制へ移行する。業績面で足踏みを続ける現状を打破し、「復活モード」へのリセットが狙いだ。現在の時価総額はパナソニックの約2兆6000億円に対し、ソニーは11兆4000億円。この差は埋められるのか——。 「2段ロケット型のリセット」で名門復活を目指す 国内外を問わず、多くの事業を抱えたまま不振にあえいできた総合型の製造企業が、成長率を取り戻しつつある。どこも思い切った事業ポートフォリオの組み換えがその原動力になっている。 そうした中で、事業の選択と集中、成長分野の育成で出遅れているパナソニックは、改めてスピード感を持った事業構造変革へ実行力が試される。 パナソニックは11月13日、トップ交代人事を発表した。2021年6月24日付で津賀一宏社長が代表権のない会長に就き、後任に楠見雄規常務執行役員が昇格する。楠見氏は2021