回線のスピードは遅く、通信コストは高い。加えて、パソコンのスペックは低い―。こうした制約があった時代、ネットで送受信する情報の中心はテキストだった。 ところが、ここ10数年で状況は様変わりした。インターネットの高速化・低価格化が一気に進み、パソコンのスペックが以前とは比べものにならないほど高まったことで、今では画像や音声、動画がネット上を行き交う。さらには、「空間」さえもネットを介して配信できるようになった。ここで言う空間とは、3D仮想空間のことである。 「3D仮想空間」と聞いて、真っ先に思い浮かべるものは何だろうか。ネット業界に関わる読者であれば、「セカンドライフ(Second Life)」を挙げる方が多いだろう(図1)。セカンドライフは2007年頃に話題となったので、非ネット業界に携わる方でも、ニュースなどで名称を聞いたことがあるかもしれない。 3D仮想空間の実情を把握するにあたり、ま