インターネットを介して企業の仕事を不特定多数の人が受注できる「クラウドソーシング」の普及で、地方で暮らしながら働く人が増えつつある。家族との時間を大切にしたり、新たな仕事に挑んだり。住む場所や時間にとらわれない「新しい働き方」を紹介する。 沖縄県南東部の与那原町。ウェブエンジニア永田義郎さん(37)の自宅マンションから道路を隔てて、浅い岩礁の青い海が広がる。夕方、永田さんは長男蔵人(くらと)君(4)を保育園から連れて戻ると、妻愛子さん(27)、長女はんなちゃん(2)と散歩に出た。海沿いを歩き、その日の出来事を聞く。午後6時過ぎ、4人で食卓を囲んだ。 自室でパソコンを立ち上げ、仕事をするのは早朝と日中。午前5時、朝日の差し込む部屋でメールを返したり、ウェブページの提案内容をまとめたりする。 永田さんが那覇市の飲食チェーン会社を辞めたのは2012年11月。長女の誕生を控えていた。長男を産んだ後