神戸市垂水区の神戸徳洲会病院で、糖尿病患者が適切な治療を受けられないまま死亡するなど、医療事故が疑われる事例が次々と明らかになっている。神戸市は今年2月、安全管理体制の是正を求め、病院を運営する医療法人「徳洲会」(大阪市、東上震一理事長)に対し、医療法人には異例となる医療法上の改善命令を出した。市は昨年8月にも、カテーテル治療による患者の死亡が多発した問題を受け、病院を行政指導している。なぜ同じ病院で、こうした不可解な患者の死亡例が相次ぐのか。 カテーテル治療の問題を内部告発一連の問題の端緒となったのは、昨年6月と7月、神戸市保健所宛てに届いた2通の告発書だ。 告発書は、主に昨年1月以降、同病院でカテーテル治療を受けた男女13人について、6人が死亡し、7人の症状が悪化したと指摘。13人のうち12人に循環器内科の男性医師が関わり、中には処置のわずか数時間後に息を引き取った事例があると記載され