政権交代後の大臣就任会見で「八ツ場(や・ん・ば)ダム中止」を表明した前原誠司国土交通相が23日、ダムの地元・長野原町を訪れ、建設が進んでいるダムサイトや水没地区の代替地などを視察した。全国的な関心を集めたこの日、地元では八ツ場を巡る様々な意見や思いが交錯した。 午前11時半 前原国交相がダムサイトを視察。吾妻川での本体工事のため、川の流れをコの字に迂回(う・かい)させる「仮排水トンネル」などを見て回った。 午前11時45分 川原湯温泉街の旅館「川原湯館」跡地で、経営していた竹田博栄さん(79)がテレビの取材を受ける。「やっぱり中止は白紙撤回して……」と話す傍らで、名古屋市中区から八ツ場に来たという運送業の男性(65)が「(群馬は戦後)首相を4人も出した自民党の本拠地みたいなところ。利権が絡んだ政治的なダムは中止した方がいい」と記者に持論を話し続ける。 正午過ぎ 川原湯地区で牛乳