【ウルムチ(中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区)=奥寺淳】数万人のデモが起きて厳戒態勢にある中国・ウルムチ市で7日、司法当局が新聞などを通じ、デモの発端となった注射器を使った「針刺し事件」の容疑者を最高で死刑にすると通告した。自治区トップの王楽泉・共産党委員会書記の辞任を求めるデモが起きた後にも針刺し騒ぎが続いており、厳罰化で事態の沈静化を図る方針だ。 市の中級人民法院(裁判所)と人民検察院、公安局が6日に合同で公表した通知によると、有毒物質などが入った注射器で人を刺した場合は、危険物をまき散らした罪で3年以上の懲役、無期懲役または死刑になる。また、針に有毒物質がついていなくても社会秩序を乱したら重く処罰するとしている。7日付のウルムチ晩報などは「無実の人に針を刺せば最高で死刑」と大きく報じた。 ウルムチでは8月中旬からバス停などで市民が注射針で刺される事件が多発。これまでに531人