仮想建築。コンピューター・スクリーンのなかのサイバースペースに構築される建築のイメージ作品の総称。そもそもサイバースペースというアイデアは1984年に発表されたウィリアム・ギブソンのSF小説『ニューロマンサー』に由来するもので、コンピューター・スクリーンの内側を無限定な空間に見立てたこの発想は多くの建築家の想像力を刺激し、パソコンやインターネットが普及した90年代以降は、多くのバーチャル・アーキテクチャーがネット上に溢れ出すことになった。もちろん多くは現実の建築作品の設計図や完成予想図に活用されているが、ほとんど制約を受けない空間の性質を利用して、現実には実現不可能な実験的なデザインが試みられることも少なくない。このように、現実に建てられることを想定していない純粋なイメージ作品としてのバーチャル・アーキテクチャーをアンビルドと呼ぶ。近年ではニューヨークの世界貿易センター(WTC)跡地再興に