【ワシントン=宮崎健雄】ブッシュ米大統領が、北朝鮮の瀬戸際戦術に屈する形でテロ支援国指定を解除したのは、厳格な核検証よりも、暗礁に乗り上げた北朝鮮の核放棄プロセス再開を優先したためだ。 検証手続きで米国は北朝鮮に譲歩しており、指定解除を受け、北朝鮮が検証を受け入れても、実態解明が難航することは必至だ。 指定解除に踏み切るもととなった今回の合意は、未申告施設に対する立ち入り調査などは双方の合意が必要と明示するなど北朝鮮に拒否権を与える内容だ。第2次核危機の発端である高濃縮ウラン計画や核兵器に直接関連する施設はいずれも未申告で、北朝鮮は検証を拒むことが可能になる。 核爆弾の原料であるプルトニウムの抽出量を検証するために不可欠なサンプル採取についても、国務省は「合意した」としているが、協議筋によると合意内容はあいまいだという。このため、日本などは合意案にいくつかの確認を求め、慎重な対応を促してい